「大田の誇り」が「世界の聖心堂」へ。2025年のクリスマス、私は歴史の目撃者になりました。
こんにちは!クリスマスも韓国にいるみみです。 2025年のクリスマス、韓国・大田(テジョン)の街は、一つの「ケーキ」のためにかつてない熱狂に包まれました。その名も、聖心堂の『イチゴシルー(딸기시루)』。

なんとこフルーツの量、大きさで4500円ほど。コスパ良すぎる…
ネットでは「5時間待ちは当たり前」「駅まで列が伸びている」と噂されていましたが、現地で私が見た光景は、想像を絶するものでした。

🍓 伝説の「イチゴシルー」2.3kgの正体
なぜ、これほどまでに人々は熱狂するのか。それはこのケーキの規格外のスペックにあります。
- 商品名: イチゴシルー 2.3kg(ケーキブティック本店限定)
- 価格: 49,000ウォン
- 重さ: 2.3kg(そのほとんどがイチゴ!)
- 特徴: ホテルの高級ケーキなら10万〜20万ウォンするクオリティを、聖心堂は約半額で提供しています。
🚉 なぜ大田は「小麦粉の聖地」になったのか?その意外な歴史
実は大田(テジョン)という街は、韓国で「小麦粉の街(ミッカル・ドシ)」として非常に有名です。なぜソウルではなく大田なのか?そこには、朝鮮戦争後の激動の歴史がありました。
1. 鉄道の要所と「救護物資」の拠点
1950年代の朝鮮戦争終了後、韓国は極度の食糧難に陥りました。その際、アメリカから大量の「小麦粉」が救護物資として届けられました。大田駅は、韓国を縦断する鉄道(京釜線・湖南線)が交差する最大の物流拠点だったため、この小麦粉が大田に集中的に集まり、周辺に製粉工場や麺・パンの文化が根付いたのです。
2. 聖心堂の始まり:2袋の小麦粉から
聖心堂の歴史も、まさにこの「小麦粉の歴史」そのものです。 1956年、聖心堂の創業者であるイム・ギルスン氏は、避難先から大田駅に辿り着いた際、カトリック教会から「2袋の小麦粉」を譲り受けました。彼はその粉で蒸しパンを作り、大田駅前で販売を始めたのが聖心堂の原点です。
3. 「分かち合い」が大田の誇りへ
創業者は当時から「お腹を空かせた人にパンを分ける」という信念を持っており、現在も聖心堂は余ったパンを毎日欠かさず寄付し続けています。この「大田と共に成長してきた」という絆があるからこそ、市民は聖心堂をただのパン屋ではなく、街の誇りとして愛しているのです。
今では大田で「カルグクス(麺)祭り」や「パン祭り」が開催されるほど、小麦文化は大田のアイデンティティになっています。
実際に筆者もカルグクスを食べてみました。
正直、今まで食べたカルグクス史上、1番でした。

❄️ 深夜2時から始まる「冬の試練」
今年の最大の特徴は、「23日〜25日の3日間は完全現場販売のみ(予約不可)」というルールでした。
これを受けて、深夜から泊まりがけで並ぶ「夜な夜な組」が続出。 深夜2時、3時の時点で既に数百人が並び、氷点下の寒さの中、キャンプチェアや毛布を持ち込んで耐え忍ぶ姿が見られました。
- 行列の長さ: 店舗前から中央路(チュンアンノ)駅の入り口を遥かに越え、地下商店街まで200m以上の長蛇の列。
- 待ち時間の目安: ピーク時は5時間〜7時間待ちという、パン屋の常識を超えた待ち時間です。
- 在庫制限: 1人1個までの購入制限がありましたが、それでも昼過ぎには完売する日もありました。
⚠️ 来年以降、挑戦する人への注意点
現場を歩いて感じた、そして韓国メディアでも警告されているリアルな注意点です。
- 防寒対策は「生命線」: 氷点下での数時間は体力を奪います。カイロ、厚手の靴下、耳当ては必須アイテム。
- 駅店と本店の違い: 2.3kgの特大サイズは「ケイクブティック本店」のみの販売。駅店は別のラインナップなので間違えないように!
- 転売に注意: 中古アプリで高額転売されていますが、崩れやすく衛生管理も難しいため、公式は現場での購入を強く推奨しています。
💡 筆者の本音:並ぶ価値はあるのか?
正直に言います。5時間待つのは本当に辛いです。 でも、ずっしりと重いあの箱を受け取った時の達成感、そして溢れんばかりのイチゴを彼氏や友人と食べた瞬間、その苦労は全て「最高の思い出」に変わります。
これは単なるケーキ購入ではなく、「韓国のリアルを体験すること」そのものだからです。
聖心堂のケーキを食べることは韓国人から見ても大きなステータスです。
この記事を参考に皆さんも挑戦してみては?
🍞 実は「パン」こそが聖心堂の真骨頂!
イチゴケーキの衝撃的な行列をお伝えしましたが、ここで一つ、現地に行かないと分からない重要な事実をお伝えします。
それは、聖心堂はもともと「パンの聖地」としてその名を轟かせたお店だということ。

実は、イベントのない通常日であれば、今回ご紹介したケーキブティックよりも、パンを販売している本店の行列の方が圧倒的に長いことでも有名なんです。
• 累計販売1億個超え! 看板メニューの「揚げソボロ(튀김소보로)」は、これを買うためだけに大田(テジョン)を訪れる価値があると言われるほどの国民的パン。
• 地元愛とこだわり: どんなに人気になっても「大田でしか買えない」という哲学を貫いており、平日でも行列が絶えません。
「冬の主役がケーキなら、聖心堂の永遠のレジェンドはパン」。
もし皆さんがケーキの列に心折れそうになったら、ぜひ本店のパンの香りもチェックしてみてください。その行列の長さが、聖心堂が「韓国一のベーカリー」と呼ばれる本当の理由を物語っています。



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